どうなるワクチン、カンタス航空は接種を義務化の方針

  • 2020年12月11日(金)
(※Photo by Daniel Schludi on Unsplash

 トラベルビジョン前編集長が「世界の観光産業の今」をテーマに不定期で寄稿するこのコラムですが、まず元グアム政府観光局(GVB)で日本代表を務められた光森裕二氏の訃報に接し哀悼の意を表したいと思います。66歳というお若さでの逝去に衝撃が収まらず、この業界で働き始めた直後にグアムのセミナーを取材して以来のご厚誼が思い返されます。氏の旅立ちが安らかなものであることを心より祈っております。

 さて、今回はワクチンが旅行・観光産業にどのような影響をもたらすかをまとめてみたいと思いますが、まず言うまでもなく有効なワクチンが各国間の往来再開を可能にし、この産業の回復に重要な役割を果たすことは間違いありません。ファイザーのニュースが報じられてから旅行系の株価が急上昇したことは日本でもあちこちで取り上げられていました。

 一方、ワクチンがすべての問題を解決してくれる魔法の杖ではないことも確かです。国によってワクチンを確保できる量とスピードが異なりますので、ワクチンのみを頼みの綱として耐えていこうとしても、それまで持たない企業が少なくないでしょう。そもそもワクチンを打てば絶対に感染しないというわけではないことにも留意が必要です。

 続いて現況を整理すると、国として海外からの訪問者にワクチン接種を義務付けることを決めた例はまだないのではないかと思います。ただし、検討だけであればオーストラリアではすでにそういう話が出ているそうで、出国すら原則禁止という特異な対応と合わせて厳格な方針を保ち続けています。

 オーストラリアでは、フラッグキャリアであるカンタス航空(QF)も、CEOのアラン・ジョイス氏が早々に国際線搭乗者に義務付ける方針を発表して議論を呼んでいますが、同氏は他社も続くと予想されており、少なくともオーストラリアではそうした姿勢が一定以上の支持を得られることが分かります。

 企業では、米系航空会社ノルウェージャンクルーズラインも義務化を検討していると報じられていますが、一方ではライアンエアーのCEOが「長距離路線の話」と退けたり、あるいはQFの方針に対し販売ボイコットを決めてTwitterで2.2万件の「いいね」を獲得する英旅行会社もあり、まだまだ流動的です。

 話は少しそれますが、今週にはロイヤルカリビアンインターナショナルがシンガポールで運航を再開したクルーズで、乗船前検査で陰性だった乗客が途中で体調を崩して検査したところ陽性の結果が出たため残りの航海を中止して返金、以降の航海予定もキャンセルという事態が発生しました。

 この乗客はその後の2回の検査で陰性となったということで、たった1人、1回の偽陽性がこれほどの経済的ダメージをもたらすことに衝撃を受けるとともに、ワクチン接種が進んだからといって、上記と同様の状況となった時に「あ、かかっちゃったの?残念だけど1人で隔離しておいてね!」と言って粛々と航海を継続するような雰囲気にすぐになるのかと懸念してしまいます。

 なお、前回も触れた通りワクチン接種が各国で進んだ先には、どうやってそれを証明するのかという問題が残ります。これに対しては世界経済フォーラムや国際航空運送協会(IATA)などが独自の「健康パスポート」アプリを開発しているところですが、これについては今のところ雌雄を決するような情報は出てきておりません。(松本)

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